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2007年 05月 07日
伊坂幸太郎の「砂漠」を読みました。
きました! 久々です。 ストーリー、キャラクターの魅力、そしてなにより文章のリズム感。 ぐぐぐっと引き込まれました。 私は江國香織さんが好きでよく読むんですけど、好きな理由に、「独特の世界観」「特徴のある文章のリズム感と言い回し」が挙げられるんですが、今回伊坂幸太郎さんの小説を初めて読んで、江國さんの小説を読んだとき以来、久々に「ピンっ!」きました☆ そして、文章のリズムや言い回しだけではなく、ストーリー全体を包む穏やかさも魅力的でした。 ストーリーには決して穏やかではない、様々な事件や事故などが起こるのですが、 それでもなお「穏やかさ」というものを感じます。 久々に「ぐっ!」ときた小説です★ さて、ストーリーはというと、 仙台の大学に通う5人の大学生が、麻雀や合コン・バイトなど、当たり前のような学生生活を送りながらも様々な事を経験し、少しずつ大人になっていく…という物語です。 大学1年生の春・大学2年生の夏・大学3年生の秋・大学4年生の冬、と 彼らの大学生活の時期ごとにストーリーは展開していきます。 大学1年生の春、主人公の北村の周りには個性的な面々が揃います。 お金持ちの息子でお喜楽な大学生の鳥井。 超能力者の南。 美人だが無表情の東堂。 何かといえば演説ばかりする変わり者の西嶋。 「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ。」 という西嶋の言葉に心を大きく動かされ、 いつの間にか一緒に行動するようになる5人。 けれど、「まっすぐに進んでいく」ものだとばかり思っていた、学生生活にある事件が起きます。 その事件をきっかけに彼らは「やってやれないことはない」「その気になれば、何かできるんじゃないか」と考え出し、自らが出来る事を模索し、もがいていきます。 社会という”砂漠”に囲まれた”オアシス”で、かけがえのない、瞬間的に過ぎ行く日々を過ごし、一歩ずつ大人に近付こうとする若者の姿を描いた作品です。 高校を卒業し、「未来」がキラキラとまぶしいくらいの彼ら。 これからどんな可能性も秘めている彼ら。 なんだかついこないだのようにも感じるんですけど、懐かしいようにも感じました。 「大人になる一歩手前」の彼らが次第に「大人」へと近付いていく様子がすごく感じ取れました。 西嶋という変わった人物が物語のスパイスのように、ピリリと効いています。 「分かったようなふりをして傍観者になるよりも、自分が今できることをすればいい」 そう伝える西嶋の姿は読んでいて気持ちがよかったです。 「何が出来るんだろう」ではなく「何をする」という行動が大切なのかもしれません。 そう思わせてくれる物語でした。 ありがちな「大人になっていく若者を描く」というストーリーではありますが、キャラクターの魅力と文章のテンポがその「ありがち」というイメージを払拭させます。 おもしろかったです。 ただ、麻雀の話が多く出てくるのですが、私は麻雀をしたことがないのでよく分からない箇所があったのが残念でした('△') 麻雀のことを知ってる方はもっと楽しんで読めるのでしょうね〜(^^) 読んだことのない作家さんの本を読むのは楽しい(^u^) 伊坂さんの他の作品を読むのが楽しみです☆
by dora0622
| 2007-05-07 00:43
| 本
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